最近は起因微生物が多様化し、クラミジア、淋菌、ヘルペスウイルス、コンジローマウイルスなどが主流です。感染しても女性の場合は自覚症状が軽微で、適切な治療が行われないまま周囲に感染が広がる危険性があります。
性器クラミジア
産婦人科領域では子宮頚管炎が感染の出発点になるが、よほど菌量が多い場合以外は自覚症状を伴いません。時として帯下の増加、悪臭を伴うことがあります。これを放置していると、菌は上行性に子宮体部、卵管を経て腹腔内へ広がり腹膜炎を引き起こします。それが原因で卵管が周囲の臓器と癒着し不妊の原因となります。
男性の場合は尿道炎として比較的早期に症状が出ますので、パートナーに症状が出たら自覚症状が無くても検査を受けてください。
抗生剤の投与で治癒しますので、おかしいと感じたら早く受診してください。
淋菌感染
クラミジア感染と症状が似ています。ただ淋菌は耐性菌が多く抗生剤投与しても治療に時間がかかる場合があります。
性器ヘルペス
外陰部に水庖が出現し激しい痛みを伴います。抗ウイルス剤の投与で治癒します。
外陰コンジローマ
ヒトパピローマウイルスが原因で外陰部にピンク色の細かい突起物が出現したり、乳頭状増殖しひだ状の病変が多数出現します。軽度の掻疹感がありますが、自覚症状は軽度です。ヒトパピローマウイルスの感染は子宮頚部癌の原因の一つです。若年の子宮子頚癌の大部分はこれが原因ですので、20歳をこえたら子宮癌検診をお受けになってください。